悪い事の裏では・・
たとえば、不登校について考えてみましょう。
お父さん、お母さん、小学生の子どもという3人の家族がいました。
お父さんは、家族にために夜遅くまで働いています。
お母さんは、家事を一生懸命にしています。
そんな中で、子どもが学校に行くのを嫌がるようになりました。
学校では、いじめがないか、勉強がわからなくなっていないか、教室で孤立していないかなどの学校環境の原因を探ってみましたが、それらは見つかりませんでした。
不登校は、子どもがとても困っている状況です。
家族も困惑し、混乱します。
学校も、困っている状況を解決しようとします。
しかし、ちょっと視点を変えて、子どもが不登校になっているという状況を見てみましょう。
子どもが不登校になったことで、良い事は起きていないでしょうか?
困ったお母さんは、きっとお父さんに相談している事でしょう。
仕事で忙しくて、なかなか会話する時間がなかった夫婦が、それでも時間を作って話し合いという会話をする時間ができています。
お父さんは、子どもの様子を気にかけるようになったことでしょう。
「今日はどうだった?」とお母さんに聞くようになっているかもしれません。
お母さんも一日子どもといて、どうすることもできないもどかしさや不安な気持ちをお父さんに話すようになっているかもしれません。
こんな風に見ていくと、不登校というみんなが困っている状況の裏で、良い事が起きている事がわかります。
事実はたった一つです。
子どもが学校へ行く事を嫌がるようになった・・これだけです。
子どもが学校へ行くのを嫌がっているという事実は、一つには子どもも家族も学校も困っているという見方ができます。
しかし、もう一方では、夫婦の会話が増えていたり、お父さんが子どもの様子を前より気にするようになったり、お母さんが心情をお父さんに話す事ができるようになったりと、良い事も起きています。
コインには、必ず表と裏があります。
事実も、必ず悪い事と良い事が一体になっています。
ただ、見る方向が違うだけです。
次回は、子どもの不登校と家族の関係についてです。
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