家族と契約する

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不登校をはじめ子ども達はいろいろな困難にぶつかります。

そのような場合、学校では支援会議が開かれ、どのように支援して行けばよいのかが話し合われます。

その話し合いの結果に応じて、支援が行われていきます。

しかし、ここに一つの視点が欠けています。

それは、支援会議で決定された支援方法について、保護者の了解を得るという視点です。

前回までの話しの整理の仕方は、相手の話しに巻き込まれないためのスキルでした。

支援方法について保護者の方の了解を得るという視点は、逆に保護者の方を巻き込むというスキルです。

スキルというより考え方と言った方がいいかもしれません。

契約というと何だかビジネス的な感じがしますが、契約とはある物事を両者が理解し、合意することです。

社会一般では当たり前の言葉ですが、学校という場ではあまり使われない言葉です。

「支援方法として、○○のようにしたいのですが、これでいいでしょうか?」と保護者の方の了解を得る。

このことは、保護者もその方法を理解し、我が子の困難に対して、その方法でやってほしいと支援に合意した事になります。

つまり、学校側と保護者が、子どもの支援方法について契約をしたということです。

子どもの支援について、保護者が理解し、それに合意して行われるというこの大切な視点が、学校という場ではなかなか持てません。

ですので、私はあえて、そのことを一言で表せる『契約する』と言う言葉を使っています。

こういう視点がないと、学校がどんなに一生懸命に支援をしていても、保護者の方は何が行われているのかわからない・・・ 我が子に対してどんな支援がされているのかわからない・・・という状況になってしまいます。

子どもに対して一番影響力を持つ保護者が、蚊帳の外に置かれているということに気付くことができないままになってしまうのです。

また、契約をするという事は、両方の責任となってきます。
両方の責任という事は、一緒にやっていくということです。

支援方法を説明している段階で、保護者の方が意見を言われるかもしれません。
要望が出てくるかもしれません。

すごくいいことだと思います。
保護者の方が、当事者となってきたということです。

できない要望が出たら、それは出来ないときちんと説明をして、断ればいいだけのことです。
できないことは、できないのですから・・・

学校として、○○のような支援をしていきたいと説明し、了解を得た後、ここがまた、大切な場面となります。

最後に必ず、「ご家庭では、どんなことが出来そうですか?」と聞いてみます。

すぐには「うちではこうしてみます」という答えが返ってこないかもしれません。

しかし、家族は、必ず何かしら問題に対して努力をしています。

「どんなことが出来そうですか?」という質問に対して、保護者は無意識に答えを探し続けます。

支援策について、きちんと保護者に説明し、了解を得てから、実行する。
また、家族にも、何かできることを決めてもらう(すぐには無理かもしれませんが)。

このように保護者と契約をするという視点が、家族を巻き込むためには必要です。

そして、支援策が上手く行かなければ、違う支援策を考えて、契約をし直せばいいのです。

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