リフレーミングというスキル
面談は、言葉を使って変化を起こすために行うものです。
言葉を使って変化を起こすスキルの一つに、『リフレーミング』というスキルがあります。
簡単にいうと、事実の見方、事実への認知の仕方を変えるスキルです。
事実は一つですが、見方によっては違う解釈ができます。
たとえば、太り気味の人がいたとします。
太っているともとれるし、ふくよかともとれます。
瘦せている人がいたとします。
スタイルがよいともいえますし、体力がないように見えるともいえます。
コインの裏と表があるように、物事はこのように必ず二通りの解釈ができます。
ポジティブに意味付けをするか、あるいは、ネガティブに意味付けをするか・・・
子どもたちがぶつかっている困難について面談をするとき、たいてい保護者の方は、落ち込んだ気持ちで面談に来られます。
落ち込んでいる人は、物事をネガティブに意味付けしやすい状況になっています。
お母さん:「私が甘やかしたから、あの子は学校にいかなくなったのだと思います。」
担任:「どのように甘やかされたのですか?」
お母さん:「学校に行きたくないというので、最初は無理やしでも送り出していたのですが、そのうち泣いて柱にしがみつくようになったので、そこまで嫌がるならと私が折れてしまったんです。」
担任:「お母さんもずいぶんと頑張られたと思いますよ。」
子どもが不登校になったことを、お母さんが甘いせいだとみるか、お母さんはお母さんなりにがんばっているとみるか・・・
どっちでもいいと思います。
その子の不登校という困難の解決に有効ならば・・・
お母さんが甘やかしているから、不登校がひどくなったと解釈したとします。
お母さんは子どもを甘やかしているのだから、もっと厳しい態度で接してくださいとお母さんに言うかもしれません。
お母さんは自分が攻められているように思い、ますます元気がなくなります。
子どもに強い影響力を持っているお母さんの元気がなくなって、元気になる子どもはいません。
無理矢理でも、登校をさせ続けようと努力し続けたお母さんだと解釈したとします。
自然とお母さんが続けて来た努力をねぎうことになるでしょう。
自分の努力を認めてもらい、ねぎらってもらって、元気にならない人はいません。
家族は、お互いに影響し合う一つのシステムです。
お母さんが元気になれば、子どもも元気になります。
子どもが元気になるとしたら、お母さんがネガティブに捉えていることをポジティブに捉え直して、お母さんに返してあげた方がいいですね。
リフレーミングは、始めは慣れないかもしれません。
しかし、スキルですので、意識して使うようにすれば、それほど難しいスキルではありません。
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