問題は何? 困っているのは誰?
面談をする前に、確認しておく大事な事があります。
たとえば、いじめがあったとします。
いじめた方の保護者の方に、起こった事の説明とこれからのことを相談するために、担任が面談をしたいと電話をしました。
ところが、保護者の方はそんな小さな事で・・という感じで、面談については、しぶしぶの承知だったそうです。
学校では、いじめという深刻なことが起きたのにと、この保護者の方の反応が理解しがたかったようです。
ここで、教師側が確認しておかなければならない大事なことがあります。
それは、「問題は何?で、それで困っているのは誰?」ということです。
ここでの問題は、いじめです。
では、その問題で困っているのは誰でしょう?
いじめられた子どもは、たしかに困っています。
教師も、この問題に対して困っています。
なので、どうにかしたいと面談という一つの解決方法をとろうとしました。
いじめた側の保護者の方は困っているでしょうか?
大原則=動くのは、困っている人だけ
電話での対応から、この保護者の方は困っていないようです。
いじめた側の保護者が困らないのはおかしい、とか、親としてその態度はいかがなものか・・という正論や価値観を持ち出しても、何も変わりません。
何も変わらないどころか、その保護者の方との関係は悪化します。
よい関係ができなければ、一番影響力を持つ保護者の方と協働支援などできるわけもありません。
ここでは、いじめという問題に対して、困っているのは子どもと教師でした。
しかし、保護者の方にも困ってもらわないと、協働支援はできません。
そこで、保護者の方を巻き込むという事が必要になってきます。
しかし、それは、説得とか、正論を押し付ける事では不可能です。
一つには、自分たちが困っているので、子どもの一番近くに居る保護者の方の知恵を借りたいという言い方ができます。
学校で話し合った今後の対策について了解をいただきたいので、という言う方もあります。
いじめは、いじめた方にも傷を残します。
ですので、その苦しさをなんとかしたいので相談させてくだいと言う場合もあります。
しかし、そんなことは電話でいいですと言われてしまうかもしれません。
それはそれでよいと思います。
面談をしなくても、それでいじめが止まり、学校の対処だけで子どもたちの問題が解決して行くのなら・・。
しかし、子どもたちは本当に欲しい物が手に入らないと、手を変え、品を変え、症状を出して行きます。
本当に欲しい物が家族のバランスを変える事だとしたら、それが起こるまで、子どもたちは何かしら症状を出し続けます。
つまり、保護者の方が困って、動き出すまで、症状を出すのです。
a:1131 t:2 y:0