パワーを持っているのは誰?
上のジェノグラムのような3世代同居の家族がいました。
小学校4年生の長女が不登校になりました。
このジェノグラムから、両親が若い事がわかります。
祖父母もまだ50代です。
面談で家族の仕事について、聞いてみました。
お父さんは、サラーリーマンでした。
おじいちゃんとおばあちゃんは、一緒に自営業をしていました。
お母さんは、パートの仕事でした。
仕事について聞くという事は、この家族の経済的な事に関係してきます。
家族にとって、お金の問題は大きな問題です。
この家族は、まだ、祖父母世代がバリバリの現役であり、収入も十分にありました。
お父さんも定収入がありましたが、光熱費をはじめ生活に必要な経費は祖父母が支払い、お父さんが一定額をおばあちゃんに毎月、払っているという形でした。
家族の中の経済をまかっていたのは、おばあちゃんでした。
よくある3世代同居家族の経済型だと思います。
これで誰も困っていなければ、何も問題もありません。
しかし、長女が不登校という困難にぶつかってしまいました。
この家族の中で、一番のパワーを持っているのは、おばあちゃんです。
おじいちゃんも、おばあちゃんも、お父さんも、お母さんも、みんな収入はあったのです。
しかし、家族の中の経済を握っている人が、なぜか一番のパワーを持つようになります。
パワーを持つ事自体は、決して悪い事ではありません。
その事によって生まれる家族バランスに、前述したように誰も困っていければ、それは問題ではありません。
パワーを持つという事は、発言権、決定権が強まるという事です。
おばあちゃんは、自営業でもあり、孫と接することが多く、よかれと思って、いろいろと若夫婦にアドバイスをしてきました。
それはときに、お母さんの意思とは反対のこともありました。
しかし、パワーを持っている人は、家族の中での発言権、決定権に強く影響します。
お母さんの意思より、おばあちゃんのアドバイスの方に決定される事が多かったようです。
子どもの事に決定権を持つのは親です。
もうおわかりかと思いますが、おばあちゃんがいつの間にか、親ポジションに侵入して来てしまっていたのです。
パワーを持つ人が、いつの間にか世代間境界を超えてしまっていました。
おばあちゃんだけの問題ではありません。
家族みんなで、そのような家族バランスにしてしまったのです。
今回は、家族を見るときの、お金とパワーという視点について書きました。
では、パワーを持つおばあちゃんが祖母ポジションに帰るようにするにはどうしたらよいか・・・
そのことについて、また、後日書く事にします。
a:2016 t:1 y:0