家族ポジションの混乱
前回は、夫婦の結びつき度の弱い家族について書きました。
今回は、そんな夫婦の関係性の中で、孤独を感じている母さんが、子どもたちと強く結びつくとどういうことが起きるかについて書いてみます。
夫婦の結びつき度が弱いと、お父さん、お母さんが孤独を感じるのは当然のことです。
孤独を感じた人は、何かで孤独を埋めようとします。
お母さんが子どもたちと強く結びつくのは、よくあることです。
お母さんが子どもたちと強く結びつくと、上のジェノグラムのように、
[お父さん] 対 [お母さん+子ども]
という家族バランスができてしまいます。
夫婦の結びつき度が弱いための孤独感の埋め合わせなので、子どものポジションは子どもポジションではなく、お母さんの孤独と同じレベル=大人ポジションとなってしまいます。
家族ポジションの混乱です。
けっして、お母さんが悪い訳ではありません。
お母さんが孤独感を感じるような夫婦関係を作ったお父さんの責任とも言えますが、逆に、そんなお父さんを作ったのはお母さんです。
家族はシステムとして、グルグルとお互いに影響し合っています。
そう考えると、症状を出さずに、子どもが大人ポジションを取り続けることによって、夫婦の関係性を修復する必要性をお父さんもお母さんも感じなかった結果とも言えます。
誰もが原因で、誰もが結果になっている・・誰が悪いのでもありません。
関係性は、一人では決してできません。
お互いに影響し合って、そうなっているのです。
お父さんも、お母さんも、そうなろうと思ってなった訳ではありません。
関係性の中で、いつの間にかそうなってしまったのです。
しかし、子どもたちがいくら頑張っても、大人ポジションは長く続けられません。
子どもたちがいくら頑張っても、お父さんの代わりにはなれないのです。
この状態が続けば、いつか、子どもたちは症状を出します。
前回も書きましたが、症状を出す事によって、お父さん、お母さんの孤独に気付く事ができるのです。
家族ポジションの混乱が、子どもたちの症状として現れるとしたら、それは早い方がいいかもしれません。
飛び越して大人になってしまった子どもたちは、症状を出すのが早いほど、子どもポジションを取り戻す時間は短くて済みます。
たとえば、小学校6年生で大人ポジションになってしまった子がいたとします。
それが3年間続いて、中学校3年生で症状を出しました。
症状を出すまでの3年間は、子どもポジションが抜けてしまっています。
子どもは、抜けてしまった子どもの部分を取り戻そうとします。
取り戻すために、心は小学校6年生に戻り、抜けてしまった3年間を子どもとしてやり直そうとします。
もし、この子の大人ポジションが10年続いて22歳になって初めて症状を出したいとしたら・・・
心は小学校6年生に戻り、それからの10年間を取り戻そうとするのです。
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コメント
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家族の図式に無理があるかな
家族図に無理があるような。。2点間の関係は緊張を呼び込みやすいので三角形のの関係にするのが安定の方法だと思うのですが、この図式は上の世代とか仕事とか他人を巻き込むと言うのが読めないと思います。
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Re: 家族の図式に無理があるかな
>>1 kuma-gさん コメント、ありがとうございます。おっしゃるとおりなのですが、家族ポジションの混乱についてわかりやすいように、夫婦と子どもだけのシンプルな設定にしてあります。ご了承ください。