子どもは飛び越して大人になれない
ジェノグラム(家族図)からは、家族の物語が読み取れます。
前回は、バラバラ家族と団子家族についてでしたが、今回は、子どもは飛び越して大人になれないということについて書いてみます。
この家族は、夫婦の結びつき度が弱い家族です。
こういう場合は、孤独な母さんは子どもたちと強く結びつくということがしばしば起こります。
しかし、この家族はそうはならなかったようです。
子どもたちにとって、親ポジションがぐらついているので、不安でなりません。
精神的に子どもポジションにいられなくなるのです。
これは決して、母親を攻めている訳ではありません。
家族はシステムとして、互いに影響し合っています。
ですので、誰かが悪いからこうなったとは言えません。
グルグル影響し合っている結果として、家族のバランスがこうなってしまったということです。
夫婦の結びつきが弱いので、母親は一人で頑張っていたのかもしれません。
そのことを察知した姉は、少し大人になって母親の負担にならないようにしようと世代間境界を超えて、大人ポジションに入ってしまいました。
この子は、少し大人びた、聞き分けの良い、良い子になったことでしょう。
でも、子どもは決して、飛び越して大人にはなれないのです。
このとき、この子が6年生だったとしたら、精神的に18才くらいになったのかもしれません。
しかし、小学校6年生からジャンプして、急に18才にはなれません。
しばらくは、お母さんの負担にならない18才でいることもできます。
でも、そこには無理があるので、いつか、この子は症状を出すようになります。
しかし、症状を出す事は悪い事ではありません。
症状はサインです。
家族のどこかのバランスが悪いよと、家族を代表して出しているサインです。
そして、悪い事の裏では、必ず良い事が起きています。
そういう視点をもっていると、この子がサインを出す事で、結びつきの弱い両親の孤独に気付くことができるという良い事が起きていることがわかります。
次回は、同じく夫婦の結びつき度が弱い家族ですが、孤独を感じている母さんが、子どもたちと強く結びつくとどういうことが起きるかについて書いてみます。
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コメント
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世代間境界を越えた子供。。
境界を越えた、超えざるを得なかった子供はアダルトチルドレンと呼ばれたりしますかね?
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Re: 世代間境界を越えた子供。。
>>1 kuma-gさん、コメントありがとうございます。アダルトチルドレンは、機能不全家族の中で育ったことにより、大人になっても心理的に傷ついた子どもが心の中に存在している人のことを言うので、境界を越えざるをえなかった子どもは、そうなる可能性はあると思います。