家族を見るときの視点
家族を見るとき、家族図、ジェノグラムと言われているものを書いてみると、文章だけからはわからなかった家族の色々なことが見えてきます。
12才の男の子が、不登校になりました。
家族は、父、母、兄、祖父、祖母です。
学校で、家族についてわかる情報は、だいたいこのくらいではないでしょか?
これをジェノグラムにしてみます。
これを見ると、本人の年齢と家族構成以外は、何も家族について知らない事がわかります。
子どもの症状は、家族システムのバランスが、どこかアンバランスになって起きています。
家族と協働支援をするためには、まずは家族を理解する事から始まります。
でも、これでは、わからないことだらけです。
家族を理解するには、ある程度の情報が必要です。
足りない情報は何でしょう?
家族を理解するためには、どんな情報が欲しいですか?
『わからないことは本人に聞いてみる』・・・これが原則です。
家族のことを聞いては悪いのではないかと遠慮するかもしれません。
ジョイニングをしっかりしていれば、関係性はよくなっています。
関係性が良くなっていれば、今まで聞きにくかったことも聞きやすくなっています。
ズケズケと家族に入っていく訳ではありません。
家族を理解するために、必要なことを聞いていきます。
ですので、そこには好奇心とか興味だけで聞く質問があってはいけません。
また、聞いてみて、相手が嫌そうなら、
「すいませんでした。言いにくい事を聞いてしまったみたいですね。」
と謝って、スッと下がればよいのです。
家族の年齢構成は、まず、欲しい情報です。
お父さんの原家族、お母さんの原家族についても知りたい情報です。
※原家族とは、その人が生まれ育った家族
書き入れてみましょう。
情報を足したジェノグラムから、何が読み取れるでしょう?
たとえば、お母さんは3姉妹の長女であったことがわかりました。
長男と長女の結婚です。
お父さんとお母さんは同じ年ですが、どこで知り合ったのでしょう。
同級生かもしれません。
3世代同居ですが、おじいちゃんもおばあちゃんも、まだまだ元気な年齢だとわかりました。
食事や役割分担は、どのようになっているのでしょう。
叔母さんがいますが、離婚して、二人の子どもと住んでいるようです。
これに職業や性格など、面談の中でわかった情報を書き入れていきます。
すると、ジェノグラムから家族の物語がみえるようになってきます。
一人一人に物語があるように、家族にもそれぞれの物語があります。
家族の物語を知る事は、家族の理解に繋がっていきます。
次回からは、ジェノグラムを見るポイント、わかることについて書いていきます。
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コメント
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興味関心を持つこと
家族を聴きとること、書き取ることは、相手に興味関心を持つことで、話してもらえてうれしいと言うことを伝えれば、気まずくなることは無いような気がします。
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Re: 興味関心を持つこと
>>1 kuma-gさん、コメントありがとうございます。おっしゃる通りなのですが、どうしても、学校での面談の話題は良い事でない場合が多いので、親御さんの防護壁はとても高いです。また、教師は面談のプロではありませんし、治療者でもありません。ですので、家族と関わるという事にどうしても抵抗があります。そんな抵抗を少なくするためにこのブログが役に立てばいいなと思っています。